『君は永遠にそいつらより若い』

君は永遠にそいつらより若い

君は永遠にそいつらより若い

津村記久子さんのデビュー作『マンイーター』改題。
不思議な作家だ。強く引き込まれていないつもりなのに、なんだか読み進めてしまっている。

こんなことを言うのは憚られるが、ホリガイさんの気持ちが、少しだけ分かる気がするんだ。
孤独とはちょっと違うと思うのだけれど、自身の意志でそうしているはずの人との距離感に、
どことなく切なさや歯痒さや、負い目のようなものを感じてしまうことの、その寂しさというか。
イノギさんに出会って、そんな自分自身を丸ごと抱えた上で、自己否定ではない新たな「距離感」へと、
一歩ずつ歩み出すホリガイさんは、読者にとってどこか救いでもあるのかもしれない。