『経済成長って何で必要なんだろう?』

経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)

経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)

経済学者の飯田泰之さんと様々な論者との「経済成長」を切り口とした対談。
基本的な主張はシンプルで、日本が抱える多様な問題を解きほぐすためには、
経済成長が必要だ、という一点に尽きる。
飯田さんのポジションは極めてシンプルかつ明確で、論旨も分かりやすい。
そして、経済成長の必要性云々もそうだが、
飯田さんの依拠する思想的立場というか、彼の信条もまたシンプルだ。
要するに、基本線として「自由」に重きを置く立場で、これ自体には全く同感。
こう書くと「新自由主義」的なレッテルで判断されそうだけれど、
飯田さん自身、定義も定かでない「新自由主義」の批判などではなく、
現実の世界に対処するための具体的な方法論を議論したい、と言っている。
これもまた、素直に同感するところです。

ちなみに、湯浅誠さんとの対談はなかなか興味深い。
『反貧困』は未読だけれど、湯浅誠という人間を多少誤解していたかも。