『すべての男は消耗品である。 Vol.10 大不況とパンデミック』

すべての男は消耗品である。 Vol.10 大不況とパンデミック

すべての男は消耗品である。 Vol.10 大不況とパンデミック

村上龍さんの人気エッセイ。
新刊が出る度に即買いして読んでいるが、やはり面白かった。
正直なところ、前回のVol.9『すぐそこにある希望』よりも充実していると感じた。
基本的に、ここ数年の村上龍さんは一貫して同じことを言い続けていて、
おれなりに解釈するならばそれは、
「戦後の高度成長期から連綿と続いてきた文脈で、現代の『幸福』や『希望』を語ることはできない」
ということだと思うのだけれど、まさにその通りの状況が日々起きているよね。
ある意味絶望的な状況が浮き彫りにされて暗澹たる思いもしてしまうけれど、
示唆に富む指摘が多いのは確かです。

ちなみに、消耗品シリーズは基本的に外さないのでお勧めです。
全く読んだことのない人には、まずは『ハバナ・モード』あたりがいいかなと。