『33個めの石』

33個めの石 傷ついた現代のための哲学

33個めの石 傷ついた現代のための哲学

非常に良質のエッセイ。
「無痛社会化」という指摘には、思うところが多いね。
最近読んだ著作だと、辺見庸さんの『愛と痛み 死刑をめぐって』に共通する思想を感じます。
誰もが「適度に切ろう」と思って舵を切るのだけれど、往々にして適度で切り抜けることができない。
もはや戻ることのないかもしれない舵を手に、どう航路を取るのかを問われています。